YOKAROが運営する【子どものためのお仕事メディアNARIWAI】。第八回は、顔が見えるご飯屋さん 「食堂の店主」 中里希さん。
ことり食堂は一人でやっているお店
東京の神宮前にある「ことり食堂」。ロゴマークがかわいい、あたたかいお店です。ほとんど料理をしたことがなかったのに、なぜ食堂の店主に?
私はそれまでお料理をしたことがなかったんです。外食ばかりだったのと、彼氏がいつもつくってくれていたのもあって。でも別れたし、東日本大震災のあとショックでご飯が食べられなくなったり、年々「食」の大切さを感じるようになったりしていたので、「ちゃんと料理をつくってみよう」と思うようになりました。
人生を変えるために、新しいことに挑戦したとのこと。それが今では人気のあるご飯屋さんの店主です。頑張りがしっかりと実を結んだんですね。
(NARIWAIのアカウントをタグ付けした投稿も!ありがとうございます^^)
顔が見えるご飯屋さん
中里さんは、顔が見えるということを大切にされています。使用している野菜やお米は、地元栃木の有機野菜。すべてつくっている人のことをご存じです。
その人たちが雨の日も風の日も大切につくられるのを知っている。嘘をついたりごまかしたりすることなく、ちゃんと料理して食べてもらわなくてはいけないと思います。
食品ロスにも取り組まれています。こうした「顔が見える人たち」が愛情を込めて作った野菜やお米を、誠実に丁寧に調理し、おいしいご飯をつくっていらっしゃいます。

またわたしたちが驚いたのは、このお話でした。野菜やお米はつくった人たちのことを知っているけれど、お肉は切ってパックになったものを使っていたことに疑問を抱いた中里さん。同じ命なのにこれはおかしい、と思いご自分でにわとりをさばいたのです。
首をおとして、包丁で腸や内臓を出しました。あのとき、命について考えなければいけないと思いました。お肉にカットされた状態のものばかり使っていたら、感覚が麻痺しちゃう。もともとがどういうものだったかわからなくなるからです。
これは本当に大切なこと。昨今では、スーパーで売られている切り身と水族館で泳いでいる魚が一致しない子も多いそう。同じものだと認識できないというのは、大きな問題ではないでしょうか。
わたしたち人間は、命をいただいて生きている。植物も動物も、みんな生きていたもの。それは決して忘れてはいけないことだと思います。
自分の手でにわとりをさばいた中里さん。こんな風に、身をもって命の大切さについて考える人のご飯、おいしいに決まってますよね!
子ども取材班にも、我々大人にも、改めて食と命の大切さについて考える大きな機会となりました。
みなさんもぜひ家族や友人と、食と命についてお話ししてみてくださいね!
すべての写真提供:中里希
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