保育と教育

【教育における探究とは?】「なぜ」から生まれる探究学習

こんにちは。現役の保育士である吉川が運営するYOKARO。実は大学は英語学科で、中高の教員免許(英語)を持っています。保育士資格は、独学で試験を受けて取得しました。

ちなみに保育(指導)歴は、

◆保育補助

◆保育士

◆学童施設で立ち上げから所長&で3年間英検講座

◆ベビーシッター

◆主任保育士

◆オンラインで英検講座(継続中)

です。今日は今話題になっている探究についてお話しします!

大人のみなさん、子どもたちの「なぜ?」に、「何ででも!」「しつこい!」なんて言っていませんか?そんな方にこそ読んでみてほしいです。

探究とは?

「探究」(探究学習)って、そもそも何なのか。どんな意味なのか。

文部科学省は、「問題解決的な活動が発展的に繰り返されていく一連の学習活動のこと」と定義しています。文科省は、学校教育を管轄しているところですね。

つまりは、先生が一方的に講義をするのではなく、「問題解決型の学習」であると言えると思います。子ども自身が課題を見つけ、解決に向けて考え行動をしていく。その過程もまた学習の一環です。

2022年度から、高校ではこの「探究」がつく科目が新設されます。総合的な学習の時間は「総合的な探究の時間」に変わるそうです。

学校教育で重視されてるのは、学力はもちろんとして、昨今は「生きる力」が一番ではないでしょうか。学習指導要領にも、確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和を重視する「生きる力」をはぐくむことがますます重要になっているとの表記があります。

【探究学習とは】

  1. 疑問や関心に基づいて,自ら課題を見つける
  2. 具体的な問題について情報を収集する
  3. その情報を整理・分析したり,知識や技能に結び付けたり,考えを出し合ったりしながら問題の解決に取り組む
  4. 明らかになった考えや意見などをまとめ・表現し,そこからまた新たな課題を見つける
  5. さらなる問題の解決を始める

これを繰り返していくのが、探究学習です。わたしたち社会人もこのスキルが必要です。人間は働きながら生きています。この「生きる力」を育てることがどれほど重要かは、大人のみなさんはご存じですよね。

「なぜ?」「どうする?」の大切さ

わたしは学校教員ではありませんが、授業をいくつか持って指導していたことがあります。その中に「プロジェクト」と名付けた探究学習がありました。

これは「子ども主体の考える時間」といったものです。小1~3年生が参加していました。内容はというと、

【プロジェクト】概要

  1. 身の回りの「なぜだろう」と思うことや「解決しないといけない問題」を出し合う
  2. その中から今回解決するテーマを決める(※多数決はなし。自分の意見や理由を伝え、相手を説得し納得できるようにする)
  3. テーマにおいて、それぞれの「なぜだろう」と思うことや「解決しないといけない問題」を出し合う
  4. 疑問や問題を解決するために、そのものごとと現状について知る(調べ学習)
  5. 解決のために、自分たちには何ができるか、何をしたいかを考え実際に行動する

というものです。画像や資料は施設のものなので載せられないのですが……自分で言うのもなんですが、これがなかなかいい時間でした。ゾロリのように、コナンのように、問題を解決するために学び考える時間だよ。そういうと、子どもたちは張り切っていました。

今までのテーマは、

フェアトレード、交通安全、貧困、フードロス、メディアリテラシー、バリアフリー、いじめ問題、野菜と植物、化石と進化、体のひみつ etc……

これをすべて小1~3年生が選んだんですよ(言葉は「お金がない国」→「貧困」などに言い換えています)。しかも「みんなが気持ちよくフェアに取り組めるように」と自分たちで話し合って。保護者は「うちの子こんなことしてるんですね!」「難しくないんですか?」とよく言われました。でも、

生徒
生徒
なぜ?知りたい!わからない。どうしたらいい?こうしよう!できない。 

と思えるこの経験は、とても大切だと思いました。「わからない」「知らない」「できない」のは当たりまえ。大人だって世界中の貧困を、いじめを、フードロスをなくすことができていません。何年も問題としていながらも。

それを東京の小さな街の小さな学童の子が、今すぐなんとかできるはずがない。でも、知ること、考えることはできる

わたしがいつも言っていたのは、「考えよう」

例えば、まだ1年生ですから「いじわるされたことないし、されてるのを見たこともない」という子がいました。その回のテーマは、いじめ問題。その子はいじめがよくわかりません。さあどうしましょう?

すると周りの子が、経験談を語りだします。見たこと、されたこと、嫌だったこと(もちろん話したくないことは話しません。あくまで本人が話し出したことのみです)。そしてわたしも資料を見せたり、世間のいじめ問題を話したりします。少しずつ、雰囲気が変わり始めます。

生徒くん
生徒くん
自分がそれをされたらどう思うだろう?

生徒ちゃん
生徒ちゃん
いじめる人間にならないためにはどうしたらいいだろう? 

全員が、考えます。もしかしたら一生いじめに関わらずに大人になるかもしれません。それはそれでよいことですが、「気づかなかった」となるのは怖い

世間の現状を知り、自分ならどう思うか、どうするか。時間をめいっぱい使って考え、解決に向かいます。考えること、想像することは、誰にでもできます。

先述したように、どのテーマも解決できないことがあります。でも「そのままにしておく?」と聞くと、子どもたちは「だめ!」と言います。そして「何ができるかなあ?」と言うのです。

例えば

  • 交通安全:「交通ルールの絵本を描いて保育園の子たちにプレゼントしよう」。
  • 貧困:「フリマをして売り上げを募金しよう」。

どうでしょう?年齢が一桁の子たちでも、自分たちでこんなことをするんですよ。世界中の人は救えなくても、目の前の「できること」をしようとする。自分がやっていた授業ですが、子どもってすごいなあと毎回思っていました。

ただ【プロジェクト】はわたしが独自で考えて生み出した授業なので、探究学習と言えるかどうか、はっきりはわかりません。

そしてあいにく退職とともに、プロジェクトは施設からはなくなってしまいました。どの先生でも授業できるよう、仕組みを整えておけばよかったかなと思ったり思わなかったり……笑。またどこかで、時間を設けたいとは思っています。

子どもたちの「なぜ?」を、大人がつぶしてはいけない。疑問を育て、自分で考え「生きる力」を身につけていくために、探究学習はこれからもっと重要視されていくでしょう。

知り合いの方が、こんな取り組み↓をなさっています。大人も、学び続けていかなくてはいけませんね。いつかご一緒できたらなあ~と記事を読むたびに思っています 笑。

よかったらご覧ください!

SNS